【12月30日 AFP】世界保健機関(WHO)は29日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」と「デルタ株」による感染者の「津波」により、すでに限界点に達している医療体制がさらに逼迫(ひっぱく)する恐れがあると警告した。

 WHOは、懸念される変異株(VOC)であるデルタ株とオミクロン株は「対の脅威」であり、新規感染者数を過去最多に引き上げ、入院患者や死者の急増につながっていると指摘。テドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は記者会見で、「感染力のより強いオミクロン株がデルタ株と同時に流行し、感染者の津波を引き起こしていることを非常に懸念している」と表明した。

 テドロス氏は「これにより、疲弊した医療従事者と、崩壊寸前の医療体制に多大な負荷がかかり続ける」とし、患者だけでなく多くの医療従事者が感染していることが医療逼迫の原因になっていると述べた。(c)AFP/Robin MILLARD