※著者:中国の世界貿易機関(WTO)常駐代表で、特命全権大使の李成鋼(Li Chenggang)氏。

【12月29日 People’s Daily】今年は中国のWTO加盟20周年にあたる。この特別な年に、中国がWTOで果たした役割を振り返ることは、中国とWTOが今後も手を携えて協力し、新たな道を開いていくにあたり、重要な意義がある。

 20年来、中国はWTOの舞台でルールの受け手からルールの作り手たる重要な参加者に成長した。WTOの業務への全面的な参画の過程で、中国はやりながら学び、学びながら練習し、練習しながら理解し、経験を積み、WTOのルール交渉、政策審議および紛争解決の三大機能の正常な運営のために、中国としての貢献を果たした。

 中国はルール交渉の主力軍となっている。ドーハ・ラウンド交渉、漁業補助金などの多国間交渉に深く参画し、100件以上の提案を単独または連名で提出し、特に情報技術(IT)製品の範囲拡大と自由貿易協定(FTA)の達成を促進するために実質的な貢献を行った。中国は政策審議の「優等生」だ。中国は計9回の暫定審議と8回の貿易政策審議を受け、WTO加盟国が提出した1万件余りの質問に率直に回答し、2021年10月に終了したWTO第8回対中国貿易政策審議期間だけで2500件余りの質問に回答した。中国は紛争解決メカニズムの「冥夜の守人」だ。われわれは関連訴訟約200件に参与し、上級委員会がまひした後、ヨーロッパ連合(EU)などの数十の加盟国と多国間臨時上訴仲裁に進み、すべての加盟国に開放し、WTO紛争解決二層審理メカニズムの維持に努めている。

 20年来、中国はWTOの舞台で公共財の使用者から重要な供給者に成長した。中国の発展は世界の繁栄と密接な関係がある。中国経済の世界的なシェアが「小柄」から「大柄」に変わるにつれ、われわれはより大きな国際責任を主導的に引き受け、より多くの公共財を提供している。

 中国は後発開発途上国の親友だ。われわれは出資してWTO事務局と共同で「中国プロジェクト」を設立し、能力建設と経験の共有を通じて、後発開発途上国が多国間貿易体制に溶け込み、利益を受けることを支援し、これまでに6か国のWTO加盟を支援してきた。中国は世界貿易改革の支持者と提唱者だ。われわれは早くも2018年に改革の具体的な主張と提案を提起し、規則が時代とともに進む新たな道を模索するよう努力し、「投資利便化の友」とプラスチック汚染防止提案を主導し、それぞれ100余りと60余りの加盟国が参加し、WTO規則が時代のニーズに応えることを促進した。中国は市場開放の実践者だ。最近終了したサービス貿易の国内規制の複数国間交渉において、中国は鍵となる参加者として交渉の成功を推進し、また最恵国待遇を基礎として交渉の成果を実施し、サービス市場をさらに開放することで、すべてのWTO加盟国がその恩恵を受けることになるだろう。

 中国は揺るぎなく真の多国間主義を維持し、揺るぎなく世界と市場の機会を共有し、揺るぎなくハイレベルの開放を推進し、揺るぎなく世界共通の利益を維持する。中国は引き続きWTOの舞台で華やかな楽章を奏で、WTO改革を164の加盟国全体の利益のニーズに合致するよう推進し、WTOという大きな花園の花々の「巧みさや美しさを競わせる」 。(c)People’s Daily/AFPBB News