【12月29日 AFP】インドネシア当局は28日、北部アチェ州沖で船が故障し立ち往生していたミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の難民100人以上の上陸を拒否し、目的地だったマレーシアの海域に送り返すと明らかにした。

 木製の船に乗っていたのは女性と子どもが中心で、船は浸水していたという。

 NGOや国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)からは上陸を認めるよう要請されていたが、インドネシア当局は食料や衣服、燃料を渡し、修理のための技術者を派遣するにとどめた。

 アチェ州警察はAFPに対し、「ロヒンギャが目的地のマレーシアまで船旅を続けられるよう(物資が)役立つことを願っている」「マレーシアに到着するまで監視する」としている。

 海軍によると、船は2日前にインドネシア沖約70カイリの地点で発見された。

 インドネシアは、マレーシアとタイに比べロヒンギャ難民を強硬に追い返してはいないが、受け入れには消極的だ。

 地元漁村の代表はAFPに対し、漁師が難民船に子ども51人と女性60人を含む120人が乗っていることを確認したと語った。エンジンが壊れていたという。言葉が通じず意思疎通はできなかった。

 インドネシアには昨年、仏教徒が多数を占めるミャンマーから逃れた大勢のロヒンギャが到着した。

 ロヒンギャ難民は、ロヒンギャが10万人以上いるマレーシアを目的地にすることが多い。(c)AFP