【12月29日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)文物考古研究院は25日、同省広漢市(Guanghan)にある三星堆(Sanxingdui)遺跡8号祭祀(さいし)坑の調査で、これまで見たことのない青銅の「竜虎獣」を発見したと発表した。

 8号祭祀坑の発掘責任者を務める北京大学考古文博学院の趙昊(Zhao Hao)副教授によると、出土した青銅器は暫定的に虎頭竜身青銅像と名付けられたという。奇異な形状をしており、半竜半虎で頭に角が2本あり、表面は彩色上絵が施されていた。竜体は本来金色で、虎柄のしま模様の浮き彫りがあった。前足を三角形の銅の台に乗せ、下半身を高くそらせており、本来は他の器物を支えていたと思われる。後足は別の器物に溶接され、尾はまだ地表に見えていないという。口には刃物のようなものをくわえていた。現在地表に出ている台座は幅55センチ、高さ85センチだった。

 趙氏は同遺物の用途について、まだはっきりしないと説明。「発掘中で完全な姿が現れていないこともあるが、単独の器物ではなく、別の大型遺物の一部の可能性もある」と語った。

 趙氏によると、同遺物は細かな部分で注目すべき点が多いという。全体を見ると竜虎獣だけでなく、前方に同じ方向を向いた鳥が立っており、鳥の表面の刻線は朱砂で彩色されていた。最も興味深いのは、竜虎獣の目の中心に黒彩(材料は未特定)で描かれた非常に丸い眼球で、「画竜点睛」ともいえるという。

 趙氏は「三星堆ではこれまで、竜の造形が出土しているが、このような大きさで立体感のある器物は初めてだ。現在はまだ表面の土を完全に取り除いていないが、取り除いた後はとても見事なものになるだろう」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News