中国、大型運搬ロケットと次世代有人ロケットの開発に着手
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【12月30日 Xinhua News】中国国家航天局の呉艶華(Wu Yanhua)副局長はこのほどインタビューに応じ、中国では現在、数種類の運搬ロケットが開発段階にあり、今後数年以内に初飛行が完了する見通しだと語った。
呉氏によると、中国が開発中の大型運搬ロケットは、重さ150トンの宇宙機を地球低軌道に打ち上げることが可能で、これは宇宙ステーション「天宮(Tiangong)」を一挙に打ち上げるのと変わらない重さになる。月探査機「嫦娥5号(Chang'e-5)」4機分に当たる重さ30トンの宇宙機を月へ送ることもでき、今後、深宇宙探査や有人月面着陸など国の重要な宇宙ミッションに長期的に応えていく。現在は計画の論証を深め、コア技術の課題に取り組む段階にあるという。
これと並行して、大型運搬ロケット「長征5号」をベースとした次世代有人ロケットの開発も行われている。長征5号のコア・ステージの両側に、直径5メートルのブースターを1基ずつ取り付ける方式を採用。推進剤には、無害で環境を汚染しない液体酸素と液体水素、液体酸素とケロシンの組み合わせをそれぞれ用いる。
呉氏はまた、中国では次世代運搬ロケットの系譜が既に形成されていると説明。今後は長征シリーズの再使用型ロケットの開発も予定しており、この方面の研究では社会全体の参画が求められるとしたほか、第14次5カ年規画(2021~25年)期間に、中国の商用再使用型ロケットは初飛行または応用の実現が可能だとの見通しを示した。(c)Xinhua News/AFPBB News