【12月28日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)のジャイアントパンダ国家公園管理局はこのほど、中国科学院武漢植物園(湖北省武漢市)の胡光万(Hu Wanguang)チームとジャイアントパンダ国家公園四川臥竜片区(エリア)が共同で、植物学の国際学術誌「Nordic Journal of Botany」に新種のラン科植物「臥竜無柱蘭(臥竜ヒナラン、Ponerorchis wolongensis)」を発表したと明らかにした。

 新種のランは2020年7月、第2次全国重点保護野生植物資源調査の四川省ラン科植物資源専門調査で見つかった。四川臥竜片区の職員、程躍紅(Cheng Yaohong)さんが白い花を咲かせる矮性のラン科植物を発見し、四川省西部でラン科植物調査を実施していた胡光万チームの鑑定によりヒナラン属だと分かった。

 関連文献の調査や形態学と分子系統学の研究により、既知の種とは異なる新種と確認され、タイプ産地に基づき臥竜無柱蘭と名付けられた。

 新種は小草本で高さ4・5~10・5センチ。葉は茎生葉で3~5枚、長披針(ひしん)形から線形をしている。花弁は小さく直立し、抱きかかえるようにして花冠を作る。唇弁はくさび形卵形で、花柱は短くはっきりしない。8~9月に花を咲かせる。

 主に標高約2600メートルの針広混交林に分布し、コケに覆われた岩に生育する。専門家によると、臥竜片区の自然生育環境は複雑多種で、垂直標高差が5千メートル以上ある。生物多様性に富み、記録されている維管束植物は2千種余りに及ぶ。

 臥竜無柱蘭は、胡光万チームが今年、中華珊瑚蘭(Corallorhiza sinensis)に次いで発表した四川のラン科植物の2品種目の新種になる。(c)Xinhua News/AFPBB News