【12月28日 AFP】世界でクリスマスの週末を直撃した空の便の混乱は、27日も続いた。欧州と米国の数州で新型コロナウイルス感染者が過去最多を記録する中、航空便の欠航が相次いでおり、休暇から戻ろうとする大勢の人々が影響を受けている。

 クリスマス前後は人々の移動が特に増える時期だが、24日以降の欠航便は世界全体で約1万1000便となり、さらに数万便が遅延した。複数の航空会社は、新型ウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大により人員不足が生じていると説明。影響は世界中に波及し、運航情報サイト「フライトアウェア(FlightAware)」によると、27日には約2500便が運航を取りやめ、28日の便も800便が欠航した。

 新型ウイルスの感染者は、感染力の強いオミクロン株により急増。フランスやデンマーク、アイスランドでは1日の新規感染者数が過去最多を記録した。

 米国でも、ワクチン未接種の人の多さや、迅速で簡単に利用できる検査手段の不足を背景に感染が拡大しており、新規感染者数は1月に過去最多を更新する勢いとなっている。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)がまとめたデータによると、デラウェアとハワイ、マサチューセッツ、ニュージャージー、ニューヨークの5州と自治領のプエルトリコでは、過去7日間の新規感染者数が過去最多を記録した。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は27日、国内の一部病院が患者で「あふれかえる」可能性があると認めつつも、同国は最近の感染者急増に対応する準備がおおむね整っていると説明。国民に対し「パニック」になる必要はないと呼び掛けた。(c)AFP/Andrea Bambino, with Michael Mathes