【1月4日 AFP】香港はかつてネオンサインで有名だったが、多くのネオン職人は、つくり方の秘密を誰にも伝えず、墓場まで持っていってしまった。現在、ネオンづくりを継承しようとしているのが、テクノロジーに精通し、世界中に交流範囲を広げる若いアーティストたちだ。

 香港人アーティストのカレン・チャン(Karen Chan)さん(33)は、自らを「ネオン・ノマド(放浪者)」と評する。

 チャンさんは香港の街にあふれる変幻自在なネオンに魅了されてきた。だが、ネオンのつくり方を教えてくれる人は、なかなか見つからなかった。

 香港のネオン業界を牛耳ってきたのは、広東語で「シーフー(師父)」と呼ばれる職人の親方たちだ。ネオンが安価で効率的なLED照明に取って代わられ、安全性に問題がある看板が取り締まられるようになっても、つくり方の知識を秘密にして守ってきた。

 チャンさんはAFPに対し、「指針やマニュアルで決められていない限り、師父は(ネオンづくりの)知識を自分の子どもにしか教えません」と話した。

「貴重な技術や知識を持っているのなら、それが生かされるように広めるべきです」とチャンさんは嘆く。「門外不出にすれば、結局は多くの技術が失われかねません」