【12月25日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis、85)は24日、バチカンのサンピエトロ大聖堂(St Peter's Basilica)でクリスマスイブのミサを執り行い、「日常生活におけるささやかなこと」を大切にし、貧しい人々との連帯を示すよう信徒に呼び掛けた。

 バチカンによると、ミサには市民約2000人と聖職者200人が参列。新型コロナウイルス対策の一環として、マスク着用とソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の順守が求められた。チケットを入手できなかった人々は、大聖堂前に設置された大型モニターでミサを視聴した。

 教皇は、つつましい生活を送りながらイエス・キリスト(Jesus Christ)の降誕に立ち会った羊飼いたちの話を取り上げた。「イエスがお生まれになったのは、こういう場所。羊飼いのそば、社会の末端にいる忘れられた人々のそば。人としての尊厳が試される場所にイエスは来られた」

 続けて「日常生活や家庭、学校、職場で毎日行っていること」の中で「ささやかなこと」を見いだすよう呼び掛け、「イエスは私たちに、生活の中のささやかなことを再発見し、大切にするよう求めておられる」と述べた。

 教皇はさらに、貧しい人々にもっと連帯を示すよう訴えた。「愛に満ちた今夜、私たちの懸念はただ一つ。神の愛を傷つけ、無関心によって貧しい人々を見下して神を傷つけることだ」

 新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)下でクリスマスイブのミサが実施されるのは今年で2回目。昨年は、バチカン職員を中心に200人ほどが参列した。(c)AFP