【12月25日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は24日、ホワイトハウス(White House)のクリスマスイブのサンタクロース追跡イベント中に、電話をかけてきた視聴者に反バイデン派の間で流行している侮辱の言葉を浴びせられた。

 バイデン氏と妻のジル(Jill Biden)氏は、サンタクロースの移動を追跡する北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)の職員とビデオ電話で会話。バイデン氏はその後、視聴者からの電話に応じた。

 電話をかけてきた「ジャレッド」と名乗る男性は、4人の子どもがいると自己紹介した。バイデン氏は子どもたちとも言葉を交わし、クリスマスプレゼントに何が欲しいかと尋ね、真夜中までに寝るようにと伝えた。さらにジャレッド氏との間に「ハンター」という名の息子がいる共通点があることに触れ、最後に「素晴らしいクリスマスを」と言って会話を締めくくろうとした。

 すると、ジャレッド氏は「みなさんも素晴らしいクリスマスを! メリークリスマス! レッツゴー・ブランドン(ブランドン、頑張れ!)」と返答した。

「レッツゴー・ブランドン」は最近、反バイデン派の間ではやっているフレーズ。9月に行われたモータースポーツの中継で、ドライバーのブランドン・ブラウン(Brandon Brown)選手のインタビュー中に観客席から上がった「くたばれ、バイデン」という掛け声を、リポーターが「ブランドン、頑張れ!と聞こえていますね」と伝えたことに端を発している。以来、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の支持者が、バイデン氏を侮辱するスローガンとして使っている。

 だが、バイデン氏はジャレッド氏の当てこすりに反応せず「レッツゴー・ブランドン。そうだね」と応じた。

 ジル氏はあきれた顔で苦笑いしていたが、バイデン氏自身がこのフレーズに込められた意味を理解していたかは明らかになっていない。

 その後、バイデン氏はジャレッド氏にどこから電話をかけているのか尋ねたが、既に通話は切れていた。

 その時の様子の映像はソーシャルメディアで瞬く間に拡散した。一部ではバイデン氏の冷静な対応を称賛する声も上がっている。(c)AFP