【12月25日 AFP】欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会(European Commission)のバルディス・ドムブロフスキス(Valdis Dombrovskis)執行副委員長(通商担当)は24日に公開されたインタビューで、中国が台湾をめぐり対立するリトアニアからの輸入を停止している問題が、他のEU諸国の輸出にも影響を及ぼしつつあると警告した。

 ドムブロフスキス氏は独日刊紙ウェルト(Die Welt)に対し、欧州委員会は中国の輸入停止について、リトアニア側が主張する事実を確認できたと述べた。

 また「中国の輸入停止について、他のEU加盟国から報告が増えており懸念している」とし、「EU諸国製品にリトアニア製部品が含まれていると、中国の税関を通過できないようだ」と述べた。

 ドムブロフスキス氏によると、中国の港でリトアニアをはじめとするEU諸国からの輸入品が大小を問わず止められる事例が多発し、日を追って増えている。

「EUと中国の間で大量の物品が毎日貿易されていることを考えれば、(中国の港で止められる輸入品の)量が急増するのも当然だ」とドムブロフスキス氏は述べた。

 ドムブロフスキス氏によると、この問題について、欧州委員会が政治的・外交的なルートで解決を図ると同時に、同氏も駐EU中国大使と直接協議した。それでも解決できない場合に備えて、世界貿易機関(WTO)に提訴する用意も進めているという。(c)AFP