【12月25日 AFP】24日、世界各国は新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大により、昨年と同じくコロナ禍の中でクリスマスイブを迎え、規制強化の見通しが家族の集いなどの行事に影を落とした。

 新型ウイルス感染者数の急増により、豪シドニーからスペイン・セビリア(Seville)まで、世界中のクリスマス行事が影響を受けた。

 イエス・キリスト(Jesus Christ)の生誕地とされるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)ベツレヘム(Bethlehem)では、訪問客の減少がホテル関係者を失望させている。ヨルダン川西岸を占領するイスラエルは、昨年のほぼ全面的なロックダウン(都市封鎖)に続き、今年も国境封鎖措置に踏み切った。

 24日、市内のマンガー広場(Manger Square)で行われたバグパイプ奏者らの行列を見るため訪れた人の数は数百人のみだった。クリスマスイブ恒例の真夜中のミサは今年も昨年同様に一般公開されず、招待された少人数のみで行われる。

 欧州では、各国政府がコロナ関連の安全対策を再導入し、大勢の人々がクリスマスの楽しみを奪われた。オランダは再びロックダウン入りし、スペインとイタリアでは屋外でのマスク着用が義務化された。

 英国では24日、1日の新規感染者数が12万2186人と、3日連続で過去最高を更新。ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は、家族へのクリスマスプレゼントとしてワクチンの追加接種を受けることを人々に推奨した。

 フランスも、新規感染者数が9万4124人に増加し、2日連続で過去最高を記録。仏保健当局は、ワクチンの2回目接種と3回目接種の間の最短期間を、従来の5か月から3か月に短縮するよう勧告した。

 一方、クリスマスの集いが昨年より楽になる地域も多い。オーストラリアでは大半の国民が、クリスマス休暇中の州間移動を2年ぶりに許可された。(c)AFP/Claire Gounon