【12月24日 AFP】「ニュージャーナリズム」の先駆けとされる米作家ジョーン・ディディオン(Joan Didion)氏が23日、死去した。87歳。

 米出版社ペンギンランダムハウス(Penguin Random House)傘下のクノッフ(Knopf)社によると、ディディオン氏はパーキンソン病に伴う合併症のためニューヨークの自宅で死去した。

 記者や映画脚本家、小説家として成功を収めたディディオン氏は、鋭い洞察と控えめだが魅力的な文章で知られる。1968年の独創的なエッセー集「ベツレヘムに向け、身を屈めて(Slouching Towards Bethlehem)」で一躍注目を浴びた後、ハリウッド(Hollywood)の生活を描いた小説「プレイ・イット・アズ・イット・レイズ(Play It as It Lays、未邦訳)」などの作品を発表。ロサンゼルスを舞台にしたエッセー集「60年代の過ぎた朝(The White Album)」は代表作となった。

 夫のジョン・グレゴリー・ダン(John Gregory Dunne)氏と共同で脚本を手掛けた、バーブラ・ストライサンド(Barbra Streisand)とクリス・クリストファーソン(Kris Kristofferson)主演のミュージカル映画『スター誕生(A Star is Born)』(1976年)は大ヒットを飛ばした。

 2003年には夫のダン氏を心臓発作で、その後2年もたたずして娘のクィンターナ・ロー(Quintana Roo Dunne)さん(当時39)も急性すい臓炎で亡くした。一連の死別経験を2011年の回想録「さよなら、私のクィンターナ(Blue Nights)」などで率直につづり、再び注目を集めた。(c)AFP