【12月23日 AFP】ディストピアな悪夢か、はたまた純粋な利便性の追求か──スウェーデンの企業が、皮膚の下に埋め込んだマイクロチップを新型コロナウイルスのワクチン接種証明として活用することを提唱している。

 皮下埋め込み型マイクロチップ技術を開発したのはディスラプティブ・サブダーマルス(DSruptive Subdermals)。同社のハンネス・シェーブラッド(Hannes Sjoblad)社長は「私も腕にチップを埋め込んでいるが、新型コロナのワクチンパスポート(接種証明書)を格納できるようにプログラムした。いつでも(証明書に)アクセスできるようにしたかったからだ」と述べた。

 マイクロチップには接種証明書のPDFデータが格納されており、「チップの上に携帯電話をかざしてスワイプするだけ」で読み込みが完了し、「ロックを解除すれば証明書を表示できる」という。

 シェーブラッド氏は、ウエアラブル端末を活用した健康管理を引き合いに出し、「皮下埋め込み型マイクロチップは20年、30年、40年と使えるが、ウエアラブル端末は3~4年しか使えない」と話した。

 スウェーデンでは、各種スマートキー、名刺、公共交通機関のICカードなどの情報を取り込んだマイクロチップをすでに数千人が皮下装着している。首都ストックホルム在住のアマンダ・バック(Amanda Back)さんはAFPに、「チップを埋め込んで個人情報を持ち歩くのは自己決定権の問題だと思っている。実際、自分で管理できるようになったと感じる」と語った。(c)AFP