【12月23日 AFP】トルコ当局が、レバノン・ベイルートの米領事館に勤務する米国人外交官を、シリア人への偽造パスポート発給容疑で逮捕・拘束していることが分かった。トルコのメディアが22日、伝えた。

 親体制的な日刊紙サバハ(Daily Sabah)は、外交官の不逮捕特権は駐在手続きを行った国以外では適用されず、トルコにはベイルート駐在のこの外交官を逮捕する権利があるとしている。

 トルコ警察の発表として報じられたところによると、この米外交官は11月11日、イスタンブール空港(Istanbul Airport)で逮捕された。その後、自身のパスポートの偽造コピーを、イスタンブールから空路でドイツを目指していたシリア人に提供したとして訴追されたという。

 メディアは、外交官がイスタンブール空港で偽造パスポートと引き換えに1万ドル(約110万円)を受け取る様子が、複数の監視カメラに捉えられていたと伝えている。

 偽造パスポートを受け取ったとされるシリア人は、公文書偽造の罪で訴追された後、保釈されたという。

 トルコ警察が米外交官逮捕の情報を1か月以上発表しなかった理由は不明。トルコと米国の関係はジョー・バイデン(Joe Biden)大統領の就任以降悪化しており、この件をめぐって緊張がいっそう高まる恐れがある。(c)AFP