【12月22日 Xinhua News】中国陝西省(Shaanxi)西安市(Xi'an)の東郊、覇橋(はきょう)区江村で見つかった漢代の大型墓「江村大墓」が、前漢の第5代皇帝、文帝の陵墓「覇陵」と特定されたことで、文帝の生母「薄姫」を埋葬した薄太后南陵も多くの注目を集めている。江村大墓とその周辺区域で実施された調査と発掘では、薄太后南陵の外蔵坑からも多くの金器が見つかり、その文様は明らかな多元的文化融合の特徴を備えていた。

 薄太后南陵は「亞」字型をした高級陵墓で、江村大墓から2千メートルほど離れた場所にある。高さ25メートルの封土(盛り土)の周囲には20基の外蔵坑があり、最長のものは56メートルに及ぶ。封土の北西約200メートルの地点では、380基余りの小型外蔵坑も発見された。

 一部の外蔵坑で行われた発掘調査では、金銀の装飾品や彩色陶俑、金銀銅製の車馬器などが大量に出土した。西安市文物保護考古研究院の張婉婉(Zhang Wanwan)助理研究員によると、一部の金製装飾品は馬や熊などの動物をモチーフにしており、異国情緒豊かな文様も見られた。これらは前漢時代に中原(黄河中・下流の平原)の農業文明と草原の遊牧文明の交流と融合があったことを証明しており、中華文明の「多元」から「一体」への歴史の流れを反映しているという。(c)Xinhua News/AFPBB News