【12月21日 AFP】台湾は21日、韓国が台湾の唐鳳(オードリー・タン、Audrey Tang)政務委員(閣僚)を会合に招待して講演を予定しながら、「両岸関係」を理由に中止したことを受けて、韓国に抗議したと発表した。

「両岸」は、外交では台湾海峡(Taiwan Strait)を挟む中国と台湾を指すことが多い。

 台湾のデジタル政策を担当する唐氏は16日、首都ソウルで開かれた会合で講演する予定だったが、台湾外交部(外務省)によると、主催者は「両岸関係の各側面」を理由に講演を中止した。

 同部報道官は、同部が駐台湾の韓国代表代理を呼び「この失礼な行為について強烈な不満を表明した」と述べた。

 韓国は中国と国交を持ち、台湾とは正式な外交関係がない。韓国外務省報道官は「台湾と非公式な交流を深めていきたいという政府の立場に変わりはない」と説明した。

 日本と同様に、韓国はアジアにおける欧米の主要な同盟国だが、台湾に対しては、日本ほど明確な支持を示していない。

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領は今月、米国などが表明した北京冬季五輪の外交ボイコットは検討していないと述べ、中国はこれを歓迎した。

 文氏は、韓国は中国と円満な関係を築きたいとの考えを示し、朝鮮半島(Korean Peninsula)に平和をもたらすには、北朝鮮の最大の支援国である中国政府と協力する必要があると述べた。(c)AFP