【12月22日 Xinhua News】中国河南省(Henan)の安陽市(Anyang)文物考古研究所は16日、同市で今年発見された陶家営遺跡が、商(殷)代中期の都城跡「洹北(えんぼく)商城」の北に造られた同時代の重要な衛星都市だったとの見方を明らかにした。遺跡では、広大な面積と密集した遺構、文化の豊かさが確認されたという。

 同遺跡は、商代後期の殷墟(いんきょ)宮殿遺跡から直線距離で7・2キロの地点にあり、今年4月から緊急発掘調査が実施されている。確認調査によると、遺跡の敷地は東西約560メートル、南北約330メートルの長方形で、総面積は約18万5千平方メートル。地層の関係や出土品の形状などから、洹北商城と同時期だと判断した。

 これまでに商代中期の墓葬27基を発掘し、礼器や武器、道具などの青銅器70点余りを含む各種器物172点が出土している。

 同研究所の孔德銘(Kong Deming)所長は「これらの青銅器は美しい造形と明確な特徴を持ち、同時期の北方草原や山東地方などの文化が互いに影響し合っていたことが見て取れる。商代初期と後期の間の青銅器文化の空白を大いに充実させ、補完できる」と語った。

 遺跡からは、青銅器のほかにも大量の土器や玉石器、トルコ石、骨器、貝殻などが見つかった。

 遺跡の東側では南北約330メートル、東西約300メートルの環濠(かんごう)も発見され、遺跡が防御的な性質を持っていたことも分かった。

 発掘された墓葬27基は、小型の祭祀(さいし)坑2基を除き、全てが南側の壕の北西にあり、南北2列に整然と分布していた。

 墓地の北側には生産・生活区があり、陶窯や土を突き固めた版築(はんちく)基礎、井戸、灰坑などの遺構が見つかった。

 発掘調査の現場責任者を務める孔維鵬(Kong Weipeng)氏は「遺跡の内部は機能ごとにはっきりと区画され、計画性が特徴として際立っている。ここが高水準の集落遺跡だったことを示している」と説明した。

 孔德銘氏は「遺跡は商代の初期と中期、後期の文化の序列をより充実、補完しており、重要な考古学的価値がある」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News