【12月21日 AFP】米製薬大手モデルナ(Moderna)は20日、同社製の新型コロナウイルスワクチンの追加接種による変異株「オミクロン株」への有効性について、実験室試験では「心強い」結果が得られたとして、自信を示した。

 モデルナのスティーブン・ホーグ(Stephen Hoge)社長は電話会見で「オミクロン株感染者数の短期的急増への対処には、このワクチンに頼ることができるだろう」と明言。しかし試験からは、接種2回のみではオミクロン株に対する効果が初期株に比べ「大幅に低下」することが示されたとした。

 モデルナ製ワクチンは、最初の2回は100マイクログラムを投与し、3回目は50マイクログラムを接種することが推奨されている。だがモデルナが発表した試験結果では、追加接種でも1~2回目と同量を投与することで、オミクロン株に対する抗体が増加することが示された。

 試験は、追加接種前にオミクロン株に対する中和抗体の量が少なかった40人を対象に行われた。3回目接種で参加者の半数に50マイクログラム、残る半数に100マイクログラムを投与し、29日後に抗体量を測定。すると、オミクロン株に対する抗体反応が50マイクログラムの投与で37倍に増加したのに対し、100マイクログラムでは83倍となったことが、初期データから示された。

 モデルナのステファン・バンセル(Stephane Bancel)最高経営責任者(CEO)は、この試験結果は「心強い」ものだと指摘。同社はオミクロン株に特化したワクチンの開発を続けるとした。一方で専門家は、感染や症状の予防効果を判断するには実臨床データが必要であり、実験室での試験結果を解釈する際には注意が必要だと指摘している。(c)AFP