【12月20日 AFP】国連(UN)は20日、紛争で荒廃した東アフリカのソマリアで雨期の降水量が3期連続で少なかったことから干ばつが深刻化し、ほぼ4人に1人が餓死寸前の「急性飢餓」の危機に直面していると警告した。

 次の雨期も雨はあまり降らない見通しで、事態はさらに悪化し、来年5月までに460万人が食料支援を切実に必要とする状態になると国連は指摘している。

 すでに16万9000人が食料、水、牧草地の不足のため住んでいた土地を捨てて避難せざるを得なくなっており、その数は向こう半年以内に140万人に膨れ上がるという。

 国連ソマリア支援ミッション(UNSOM)のアダム・アブデルモウラ(Adam Abdelmoula)氏はAFPのインタビューで、「最悪の事態が迫りつつある」と述べ、今後数か月間で5歳以下の子ども30万人が「重度の栄養失調」に陥る恐れがあると警鐘を鳴らした。

 国連は、来年中にソマリアの全人口約1590万人のほぼ半数に相当する770万人が人道支援と保護を必要とするとみて、危機に対応するため約15億ドル(約1700億円)の資金拠出を呼び掛けている。

 ソマリアでは10人に7人以上が貧困ライン以下の暮らしを送っている。(c)AFP