【12月22日 AFP】11月末にツイッター(Twitter)の最高経営責任者(CEO)に就任したばかりのパラグ・アグラワル(Parag Agrawal)氏を含め、米国の巨大IT企業のトップに指名される人材を次々に輩出しているのがインドの名門工科大学だ。

 シバニ・ナンガオンカー(Shivani Nandgaonkar)さん(22)も、アグラワル氏と同じ道を目指している。同氏も学んだインド工科大学ボンベイ校(IIT Bombay)の学生だ。すでにIT大手グーグル(Google)による採用が決まっている。

「パラグ氏のことを聞いて、とてもうれしかったです」とナンガオンカーさんは誇らしげに語る。「IIT同窓生の中には、グーグルのCEOもいます。スンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)氏(49)ですね。私にとってはこれ(グーグルへの就職)が成功への足掛かりです」

 ツイッターのアグラワル氏は37歳。S&P500構成企業のCEOの中で最年少だ。

 グーグルの親会社アルファベット(Alphabet)のCEOも兼任するピチャイ氏と同様、アグラワル氏もIITで学位を取得するとインドを出て、米国の大学院に進んだ後、米企業数社に勤務した。

 米IT企業の最高位に上り詰めた他のインド人には、IBMのアルビンド・クリシュナ(Arvind Krishna)氏や、コンピューターセキュリティー会社パロアルトネットワークス(Palo Alto Networks)のニケシュ・アローラ(Nikesh Arora)氏がいる。いずれもIITを卒業している。

 さらに、マイクロソフト(Microsoft)とソフトウエア大手アドビ(Adobe)の両CEO、サトヤ・ナデラ(Satya Nadella)氏とシャンタヌ・ナラヤン(Shantanu Narayen)氏もインド出身だ。

 企業幹部や専門家はこの現象について、インドという国の大きさに加え、移民や留学生の送り出し・受け入れ態勢が整っているさまざまな要因や、問題を創意工夫で乗り越えようとする文化、英語力、厄介な仕事にも粘り強く取り組む風土などがもたらした成果だと言う。

 IIT卒業生で、サンマイクロシステムズ(Sun Microsystems)の共同設立者であるビノッド・コースラ(Vinod Khosla)氏は、多種多様な社会・習慣・言語の中で成長するインド人は「複雑な状況を切り抜ける」能力が高いと言う。「学歴競争や混沌(こんとん)とした社会状況もスキル向上に役立っている」とAFPに語った。