【12月20日 AFP】香港で19日、香港立法会(議会)選挙の投票が行われた。中国政府が「愛国者」にのみ立候補を認める選挙制度に変更して以来初めての選挙で、投票率は30%と、1991年の香港初の直接選挙以来、最低となった。

 選挙管理委員会のバーナバス・フォン(Barnabas Fung)委員長によると、有権者447万2863人のうち投票したのは135万680人で、投票率は30%にとどまった。前回2016年の58%、2000年の44%を大幅に下回った。

 新制度では定数90のうち、市民が選挙で選ぶのは20議席に削減された。立候補の条件も厳しく制限されており、中国への愛国心と政治的忠誠心が審査される。

 40議席は親中派の選挙委員(定数1500)が選出。30議席は業界ごとの親中派委員により選ばれる。

 投票は19日午後10時30分に締め切られ、結果は20日にも出る見通し。

 香港浸会大学(Hong Kong Baptist University)の政治学者、陳家洛(Kenneth Chan)氏は、今回の投票率は政府にとって「面目がつぶされる」形となったと指摘する。

 同氏はAFPに対し「民主派の有権者の大半が棄権し、この種の選挙とは距離を取る姿勢を示すことで、抗議した」と語った。(c)AFP/Holmes Chan and Su Xinqi