【12月21日 Xinhua News】中国人民大学中国民営企業研究センターと北京隠形独角獣情報科技院が共同発表した「2021年中国隠れたユニコーントップ500報告」によると、「隠れたユニコーン企業」トップ500社の時価総額合計が1兆3千億元(1元=約18円)を超えた。時価総額の平均は26億元で、経済の持続的な成長と質の高い発展の新鋭となっている。

 報告書によると、「隠れたユニコーン企業」トップ500社はそれぞれの業界と分野の特徴を比較的強く示している。そのうち、生活・サービス分野の企業は時価総額が最も高く、医療・健康分野の企業は時価総額の伸びが最も速く、インテリジェントテクノロジー分野の企業は最も数が多かった。地域別にみると、北京市が数量、時価総額、新規増加企業数でいずれも全国トップで、広東省、上海市、浙江省、安徽省、江蘇省が続いている。

「隠れたユニコーン企業」とは、設立5年程度で、時価総額2億元以上、10億ドル(1ドル=約114円)未満、独創的で破壊的な技術を持つか、複製困難なビジネスモデルを持ち、現行政策の方向性に一致していることなどの特徴を持つ企業を指す。 

 神話の物語から名付けられたユニコーン企業は往々にしてきわめて競争力に富むコア技術、あるいは複製困難なビジネスモデルを持ち、デジタルエコノミーなどの新しい経済の業態をリードし、地域と国家のテクノロジーの進歩と産業の高度化に対し重大な意義がある。

 現在、中国経済は徐々に質の高い発展へと「ギアチェンジ」し、新しい原動力は持続的で絶え間ない革新をその供給源としている。これはユニコーン企業の発展に絶好の土壌をもたらし、中国を世界におけるユニコーン企業の主要供給源の一つにしており、フィンテックやインターネットソフトウエア・サービス、人工知能(AI)、電子商取引(EC)などの分野におけるパフォーマンスは特に際立っている。

 北京隠形独角獣情報科技院の李慶文(Li Qingwen)院長は「『隠れたユニコーン企業』はユニコーン企業の供給源であり、すでにユニコーン企業となるための条件と基礎がほぼ整っている。一つの国家、一つの地域の『隠れたユニコーン企業』の数が膨大であるということは、将来的に出現するユニコーン企業の数も必ずや非常に多くなるということだ」と話す。

 2020年に発表された中国初の「隠れたユニコーン企業」トップ500社のうち、漢鑫科技、連城数控など15社がすでに資本市場に上場し、25社が世界ユニコーン企業トップ500にランクインしている。

 2021年9月30日時点で、すでに上場している元「隠れたユニコーン企業」の時価総額合計は上場前の463億元を大きく上回る1182億元になり、資本市場がこれらの企業の革新的な価値を引き続き認めていることが示された。

 地域経済成長のエンジン、産業高度化のエンジン、経済の質の高い発展を後押しする新勢力。これは業界が「隠れたユニコーン企業」に期待している役割である。

 2015年設立の合肥兆芯電子はストレージチップ製品の研究開発・生産・テスト・販売に特化したハイテク企業で、「2021年中国隠れたユニコーントップ500」にランクインした企業の一つでもある。同社は今年の売上高が5億元、来年は10億元を見込んでいる。

「隠れたユニコーン企業」トップ500にランクインしたことは、同社が急成長段階に入ったことを示すだけでなく、同社にはより良い成長の余地があり、より多くのサポートを必要とすることを意味している。

 同社の王智麟(Wang Zhiling)総経理は「企業が人材を誘致し、人材にインセンティブを与え、人材を引き留めることを政策レベルでサポートするともに、金融によって企業の高速発展のニーズに応える。これは現在、われわれが最も必要としていることだ」と率直に話した。

 複数の専門家も、的確な政策支援、持続的な科学技術のブレークスルー、モデルの革新、資本の運用などが、「隠れたユニコーン企業」がもう一歩前に進むうえでのカギになると指摘する。

 清華大学公共管理学院の李応博(Li Yingbo)副教授は次のように述べた。「隠れたユニコーン企業」は時価総額などの面ではユニコーン企業の条件を満たしていないかもしれないが、技術の成熟度の面ではすでに比較的高いレベルに達している。今後はこうした企業に正しい指導を行い、過度な資本の投機などのリスクを回避し、より良く成長できるようサポートするべきだ。(c)Xinhua News/AFPBB News