【12月19日 AFP】昨年亡くなったサッカー元アルゼンチン代表のレジェンド、ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏が所有していた約90の物品が、19日にオークションにかけられることとなった。両親の邸宅をはじめネクタイ、高級車BMW、そしてキューバ産葉巻とラインアップは多岐にわたる。

 オークションを主催するアドリアン・メルカード(Adrian Mercado)社は、「現時点で登録されている1120人がオークションで入札する立場にある」と話した。

 同社によると、最低落札価格は50ドル(約5700円)から90万ドル(約1億200万円)の87品が出品されるという。競売は1986年のW杯(World Cup)王者であるマラドーナ氏の相続人との合意の下、アルゼンチン当局が命じた。

 同社は「お子さん方が素晴らしい選択をなさった」とし、「最も感情が詰まった最高の思い出、情熱を宿すアイテムは、家族によって保管されることになる」と続けた。

 オークションに出品されたブエノスアイレスのビジャデボート(Villa Devoto)にある邸宅は、マラドーナ氏がボカ・ジュニアーズ(Boca Juniors)時代に両親にプレゼントしたもの。オークションのウェブサイトにある紹介文には、「クラブ、物語、W杯からは何年もたってしまったが、カンティロ(Cantilo)通りに面した家は常にマラドーナの居場所だった」と書かれている。

 1960年に生まれたマラドーナ氏が過ごした、貧困地域のつつましい家とはかけ離れている邸宅は、マラドーナ氏が亡くなった2020年11月25日まで両親が暮らした。豪華とはいえないまでも快適で、プールも完備されており、最低落札価格は90万ドルに設定されている。

 車は2017年と2016年のモデルのBMWが出品されており、それぞれ22万5000ドル(約2560万円)、16万5000ドル(約1875万円)からの入札となる。

 その他、キューバの指導者フィデル・カストロ(Fidel Castro)氏とマラドーナ氏が一緒に写った写真が400ドル(約4万5500円)、保存箱に入った葉巻が300ドル(約3万4000円)で出品されている。

 収益は債務や経費の支払いにあてられるが、マラドーナ氏の相続人には渡らないという。売却されなかった物品の処分については裁判所が判断する。(c)AFP/Liliana SAMUEL