■「星に光を当てれば輝く」

 1948年、共産主義政権となった旧チェコスロバキアでは、すべてのガラス工房が国有化された。多くの起業家がそうだったように、ホルナ氏の息子も投獄までされた。

 しかし、共産政権の動きはラチウス工房にとって有利にも働いた。吹きガラスのビーズの生産がポニクラーに限定されたのだ。

 1989年に共産政権が崩壊すると、クルハビー氏の父親がラチウス工房を買い取った。現在、工房では50人の従業員が働いている。

 クリスマス飾りの制作では、まず細いガラス管を熱して型にはめ空気を吹き込み、ビーズが連なった形にする。クルハビー氏によると、工房には1000種以上の型がある。

 こうして成型したガラス管に着色剤を入れて内側から銀色にし、次いで外側を彩色する。その後、連なった状態のビーズを一つずつカットして、クリスマス飾りが完成する。

「画家が絵付けをするビーズもあります。例えば天使の頭部は細部まで描く必要があります」とクルハビー氏は説明する。

 無形文化遺産登録に当たっては、専門的で技術を要する手工芸であることや、唯一現存するラチウスの工房が伝統を守っていることが評価された。

 クルハビー氏は、ガラス製ビーズはこれまで表舞台に出られないシンデレラのような存在だったが、無形文化遺産に登録されたおかげで脚光を浴びるようになったと語る。

「星に光を当てれば、輝くのです」 (c)AFP/Jan FLEMR