【12月17日 People’s Daily】北京冬季五輪をきっかけに、中国の氷雪装備器材産業は一つ一つの技術的難関を全力で乗り越え、飛躍的発展を迎えている。

 中国初の国産圧雪車は河北宣工機械発展会社(以下、河北宣工)が開発したSG400圧雪車だ。

 現在、世界の圧雪車市場はドイツとイタリアの2社の寡占状態にある。河北宣工は冬季五輪招致のチャンスをつかみ、キャタピラ車両の開発・製造における豊富な経験をもとに、自主革新を行っている。「SG400は中国初のハイエンド大出力圧雪車で、国内のこの分野の空白を埋めた。シャシーサスペンション、電子制御システムや油圧駆動などキーになる核心的な技術において独自の知的財産権を持っている」と、SG400圧雪車の温曉宣(Wen Xiaoxuan)総設計師は述べた。

 中国初の国産スキー・スノーボード用ワックス作業車は、山東省(Shandong)の数社の企業が集団で自主開発したもので、6人のワックス職人がわずか1時間強で新しくワックスをかけたスキー板を選手の足元に届けることができる。

 ワックス作業車は、ワックスをかけるのが速くて良いだけでなく、選手のウオーミングアップや、試合の生放送などの多くのサービスを提供することもできる。ワックス作業車の車長によると、この車の開発は太陽光発電、蓄積エネルギー、5G+産業インターネット、ビッグデータ、人工知能などを一体化し、開発・設計の過程で66件の特許を申請したという。

 国内創始、技術先行、完全国産——中国ブランドの圧雪車とワックス作業車は、中国の氷雪装備器材産業が「輸入依存」を打破しようとする縮図となっている。一連の措置の推進の下で、現地企業は次々と研究開発に力を入れ、国産化率と市場占有率は絶え間なく向上している。

 中国の「3億人をウインタースポーツ参加に導く」目標のたゆまぬ推進につれ、中国の氷雪装備器材産業は疑いなく急行列車に乗り込んだ。

「中国スキー産業白書(2019年度報告)」によると、中国国内のスキー場における中国産造雪機の新規増設台数は2015年の50台から、2019年には467台に増加し、同時に輸入造雪機の新規増設台数との差を徐々に縮めている。業界関係者の見解では、大衆の氷雪関連の消費ニーズは絶えず急速に上昇し、企業が氷雪設備市場への投資を増大させることで、氷雪装備・器材製造の急激な発展をけん引するに違いないとのことだ。

 同時に、産業の発展環境も絶えず改善が進む。河北省(Hebei)張家口市(Zhangjiakou)はハイテク産業開発区で氷雪運動装備産業園、宣化(Xuanhua)氷雪産業園の二つの規模の大きい氷雪装備研究開発製造集積区を建設し、国家氷雪運動装備製造基地の構築に力を入れ、氷雪装備の研究開発、設計、製造、検査、流通、保管を一体化した氷雪装備産業基地を形成する。データによると、2021年初めまでに、張家口市は氷雪産業の契約プロジェクト81件、実施となるプロジェクト69件、投資総額334億3400万元、操業・運営プロジェクト31件を累計で記録し、生産額は24億400万元に達した。

 工業・情報化部の関係者は、中国のウインタースポーツの立ち上がりは遅れ、氷雪装備産業の現段階の発展も一定の格差があるものの、今後アジアひいては全世界の最も消費潜在力のある氷雪市場の一つとして、現地の氷雪装備器材メーカーは市場を開拓し、未開の分野を探し出し、中国市場の需要に合った製品で差別化した競争の実現が可能であろうとみている。(c)People’s Daily/AFPBB News