【12月17日 AFP】欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は16日、米製薬大手ファイザー(Pfizer)が開発した新型コロナウイルス感染症の経口治療薬「パクスロビド(Paxlovid)」について、加盟国による使用を承認した。正式承認に先駆けた緊急措置で、新たな感染の波の抑制を目指す。

 ファイザーは14日、同薬について、重症化リスクが高い人の入院や死亡を90%近く減少させることが確認されたと発表していた。変異株「オミクロン株」にも効果があるとみられている。

 EMAは服用方法について、感染が判明してからできるだけ早く、症状が出てから5日以内に飲み始め、5日間服用を続けるよう勧告。主な副作用は味覚障害、下痢、嘔吐(おうと)で、妊娠中や授乳中は服用すべきでないとしている。

 EMAは同時に、同薬の正式承認に向けた「逐次審査」を開始したと発表。数か月以内に承認される可能性がある。EMAはすでに、米製薬大手メルク(Merck)の経口治療薬「モルヌピラビル(Molnupiravir)」についても緊急使用を承認している。(c)AFP