フロイドさん殺害の元警官、公民権侵害で有罪認める 司法取引で
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【12月16日 AFP】米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さんが白人警官から暴行を受けて死亡した事件で、連邦法に基づき公民権侵害の罪で起訴された元警官のデレク・ショービン(Derek Chauvin)被告(45)が15日、罪を認めた。この事件で同被告が自身の行為の犯罪性を認めたのは初めて。
ショービン被告はすでに州法に基づき、殺人罪などで6月に禁錮22年6月の有罪判決を受けている。
同州セントポール(St. Paul)の連邦地方裁判所に出廷したショービン被告は、2020年5月25日にフロイドさんの首を10分近くひざで押さえ付けたのは過剰な力の行使だったとする連邦法違反の罪を認めた。
司法省との司法取引で、被告は「故意に不当な力を行使した結果、フロイドさんを負傷させ、死に至らしめた」ことと「自分の行為が間違ったことだと知っていた」ことを認めた。また、被告は「フロイドさんが抵抗しなくなっただけでなく、話すことも動くこともなくなり、息も止まり、意識を失い、脈も停止したことに気づいており、力を行使し続ける法的正当性がないと分かっていた」と認めた。
被告はまた、2017年に当時14歳の少年に手錠を掛け、地面にうつぶせに押さえ付けて懐中電灯で頭を何度も殴った件についても、少年の憲法上の権利を侵害した罪を認めた。
メリック・ガーランド(Merrick Garland)司法長官は、「こうした行為によってもたらされた被害はどうやっても元に戻せないことを認識した上で、司法省は憲法に違反した者の責任を追及し、すべての米国人の公民権を守ることに尽力する」との声明を発表した。
司法取引に基づき、被告の連邦法違反に対する刑期は禁錮20~25年となる。また、刑期は州法との合算ではなく、同時に服すことになる。
被告はフロイドさんの事件で州裁判所の判決について控訴しているが、控訴審の判決にかかわらず長期間収監されることが確実となった。
フロイドさんの事件は、目撃者が携帯電話で撮影した動画が拡散し、アフリカ系米国人に対する警察の人権侵害に抗議する全国的な「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」運動に発展した。(c)AFP/ Kerem YUCEL