【12月16日 Xinhua News】中国国家気象情報センターは11月30日午後8時、南極観測基地の崑崙基地と泰山基地から送られた気象観測データを受信した。これにより、崑崙基地が約5年、泰山基地が約9年の安定した運用を経て、本格的な業務遂行能力を備えることが確認された。これらの基地は12月1日より本格的に稼働し、長期的かつ連続的な気象観測データを取得していく。

 南極大陸はブリザード(猛吹雪)と極寒で知られる。長期的かつ連続的な通常気象観測は中国の極地での気候モニタリング・天気予報能力を向上させ、極地の天気予報と気候変動評価の精度を高め、科学調査を保障し、極地の環境を保全する上で重要な意義がある。

 中国南極調査隊はこれまでに、中山基地から崑崙基地までの沿線地帯に自動観測を行う気象観測所を数カ所設置した。そのうち、2012年12月24日に設置されたのが泰山基地、17年1月6日に設置されたのが崑崙基地だった。これらの基地は試験期間中のデータの質が安定しており、データ取得・送信率も国の基本気象観測所の業務遂行基準を上回った。

 南極大陸では気温の低さが気象観測所設置を左右する主な要因となっている。中国気象局は1996年に南極氷床での気象観測所設置に乗り出した。観測技術の面では、中国気象科学研究院極地気象科学研究チームが2010年以降、超低温でも動作する電池や風速計、エネルギー制御モジュールなど各種設備を開発。さらに、南極に調査隊員を数回派遣して超低温下での屋外観測試験を行い、次世代の耐超低温性自動気象観測所を独自開発した。(c)Xinhua News/AFPBB News