【12月16日 AFP】欧州の数か国で15日、新型コロナウイルスワクチンの5~11歳への接種が始まった。一方で欧州連合(EU)の欧州疾病予防管理センター(ECDC)は同日、変異株「オミクロン株」について、ワクチン接種のみでは急激な感染拡大を防ぐことができないと警告した。

 5~11歳への接種が始まったのは、クロアチアとドイツ、ギリシャ、ハンガリー、スペイン。他の多くの国では、まだ検討段階にある。

 若年層へのワクチン接種は、オミクロン株の急速な拡大により、緊急性を増している。EUのウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)欧州委員長は、オミクロン株が1月中旬までに欧州で主流株になる可能性があると警告した。

 だがECDCは、ワクチン接種だけでは間に合わないとし、残された時間内に医療機関への負担を軽減するには、マスク着用や遠隔勤務、大人数の集まりを避けるなどの対策が不可欠だと指摘した。

 子どもが新型ウイルスに感染した場合、重症化したり死亡したりすることはまれだが、高齢者ら重症化リスクの高い人にうつす可能性がある。

 欧州各国の医師によると、子どものワクチン接種を希望する保護者は多い。ドイツ小児科医会の広報担当者でベルリン在住のヤコブ・マスケ(Jakob Maske)医師は「予約は受付開始直後にほぼすべて埋まった」と語っている。(c)AFP/Daniel Silva