【12月15日 People’s Daily】二酸化炭素(CO2)の排出量の削減といえば、石油、運輸、製造などの産業に関連するものというイメージがある。確かに、エネルギー消費量が多ければ、CO2の排出量も多い。CO2の削減を推進する際、これらの産業は非常に重要だ。しかし、経済・社会発展の省エネが推進されている今、中国のCO2削減はあらゆる面で展開されている。抜本的な改革だけでなく、小さなところにも省エネの意図が見られる。

 先日、舞台鑑賞が好きな友人が、ここ数年、公演のチケットの電子化が普及していると教えてくれた。最初はなじみがなかったという。美しく印刷されたチケットは記念品として残す価値があると思ったからだ。しかし、時がたつにつれ、電子チケットのほうが便利だと感じるようになり、「チケットを印刷することで紙もエネルギーも使うことになる。『CO2削減』に貢献している」と話した。

 小さなチケット一枚が、CO2削減と関係ないと思うかもしれない。しかし、ちりも積もれば山となる。あるチケット販売プラットフォームが発表した電子化に関するデータによると、このプラットフォームでは過去3年間に2300万枚の電子チケットを発売し、約1400トンのCO2排出量と約140万キロワット時の電力消費量の削減に相当するという。

 チケット電子化の例で分かるように、サービス産業は無数の消費者とつながっており、消費チェーンの中の小さな変化が、累積すれば無視できない大きな効果をもたらす。

 小さなことでCO2削減を推進することは、比較的に簡単だ。工場の生産ラインをグレードアップするには膨大な資金と技術が必要だが、サービス分野なら、機器の大幅更新はそれほど必要なく、企業の心がけを変えるだけで実現することもある。

 省エネの概念が人々の間に定着し、生産現場でのCO2削減の推進は徐々に普遍的な考え方になりつつある。消費者にとっても、サービス産業から感じられる小さな変化は、消費者の心理を変え、生産側と一緒になって、より良い省エネ社会の形成に貢献している。

 夏場のエアコンの設定温度を1度上げることから、食事デリバリーの時に食器を減らす、チケットの電子化やごみのリサイクルまで、中国では近年、小さなことからCO2排出量を削減する新しい取り組みが進んでいる。この勢いが今後も続けられ、将来的にはもっと画期的なCO2削減が実現できると予想される。(c)People’s Daily/AFPBB News