【12月15日 AFP】世界保健機関(WHO)は14日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が前例のない速さで広がっており、すでに大半の国に存在している可能性が高いと警告した。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は記者会見で、先月、アフリカ南部で初めて検出されたオミクロン株は現在、77か国で確認されているが、「現実には、未検出であっても恐らく大半の国に存在している」と強調。「オミクロン株は、これまでのどの変異株でもみられなかった速度で広がっている」と指摘した。

 オミクロン株については、従来株よりもワクチンによる予防効果を回避する能力が高いものの、感染後の症状はより軽い可能性があることを示すデータが増えている。

 だが、テドロス氏は「オミクロン株が引き起こす症状の重症度がたとえ低かったとしても、感染者数が多いことから、準備の整っていない医療機関を再び圧迫する恐れがある」と述べ、同株を軽視しないよう警告した。

 さらに、ワクチン供給については富裕国と貧困国の間で今も大きな格差があることに触れ、オミクロン株の拡散を受けて多くの国がワクチンの追加接種を急いでいることへの懸念を示した。(c)AFP