【12月14日 AFP】(更新)国連(UN)は14日、アフガニスタンでイスラム主義組織タリバン(Taliban)が実権を握った8月以降、100人以上が超法規的に殺害され、その多くがタリバンによるものだったとする信頼できる報告を受けたと発表した。

 スイス・ジュネーブの国連人権理事会(UN Human Rights Council)で、ナダ・ナシフ(Nada Al-Nashif)副高等弁務官は「8~11月に、アフガニスタンの元治安要員や前政権関係者100人以上が殺害され、うち少なくとも72人がタリバンによるものだとする信頼できる報告を受けた」と述べた。

 ナシフ氏は「遺体が公の場にさらされたこともあった」として、相当数の市民の間で恐怖が増幅したと指摘。同氏は、タリバン指導部が8月に全国民の恩赦を発表したにもかかわらず、超法規的な殺害の報告が続いていることに大きな危機感を抱いていると話した。

 今月には国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)も、タリバンが47人を「即決処刑」したと報告し、日米欧がこれを非難していた。

 HRWの報告によると、「処刑」の対象となったのは、8月半ばから10月までに「タリバン部隊に投降もしくは拘束された」アフガン国家治安部隊(ANSF)の元隊員や軍人、情報機関員経験者らだという。

 タリバン報道官は、超法規的な殺人に関する主張について「証拠に基づいていない」として完全に否定している。(c)AFP