【12月14日 東方新報】中国の宇宙ステーション「天宮(Tiangong)」に3か月にわたり滞在した宇宙飛行士3人が今月、地球に帰還して初の記者会見を開いた。ステーション最初の住人となった3人は宇宙の魅力を語り、宇宙は「出張」する時代になったことをアピールした。

 3人の飛行士は聶海勝(Nie Haisheng)氏、劉伯明(Liu Boming)氏、湯洪波(Tang Hongbo)氏。6月17日、有人宇宙船「神舟12号(Shenzhou-12)」に乗って甘粛省(Gansu)の酒泉衛星発射センターから宇宙に向かい、地上から約380キロ上空にある「天宮」のコアモジュール(中核施設)「天和(Tianhe)」に滞在。9月17日に地球へ帰還するまで、中国の宇宙飛行士として初めて宇宙ステーションで活動した。有人飛行ミッションとしても5年ぶりとなる。

 3人は「天和」での居住環境の構築に始まり、生命維持システムの検証、ロボットアームの操作、船外の宇宙空間での組み立て作業とメンテナンス、自身の健康管理、物資と廃棄物の管理など、宇宙ステーションの運用や宇宙生活に必要な作業を実践した。

 地球帰還後の隔離期間と療養期間を経た3人は12月7日、北京で記者会見を開いた。今回が3度目の宇宙ミッションとなる聶海勝氏は「毎回、新しい感覚と経験があります。活動スペースはどんどん広くなり、宇宙食も豊富になっている」と笑顔で話した。

 劉伯明氏は初めて船外で宇宙遊泳をした時の「ああ、外は本当に美しい!」という第一声が、中国で多くの反響を呼んだ。劉氏は「宇宙人に出会ったら言葉をかけるかボディーランゲージで交流するか、という夢を見ました。3人でどんな夢を見たか話し合いました」と振り返った。

 今回が初の宇宙ミッションだった湯洪波氏は「船外活動中に見た宇宙の美しさは一生忘れられない。SF超大作の世界にいるようで、リラックスして幸せな気分になった。今すぐまた宇宙に行きたい」と喜びを語った。

 3人は出発前、無重力環境を想定した6時間にわたる水中訓練や、上半身の筋力トレーニングなど過酷な地上訓練を続けていた。宇宙空間の作業は上半身の力に頼るため、3人の上半身の筋力は体操やカヌーの選手に劣らないという。3か月間の滞在期間中、ミッションは多忙を極めたが、休憩時間には船内で卓球をしたり絵を描いたりした。

 3人と入れ替わりに10月16日には「神舟13号(Shenzhou-13)」が打ち上げられ、中国メディアが「新出張トリオ」と呼ぶ3人の宇宙飛行士が「天和」に乗り込んだ。滞在期間は神舟12号メンバーの倍の半年間にわたる。11月7日には王亜平(Wang Yaping)氏が中国の女性宇宙飛行士として初めて宇宙遊泳を体験した。来年には実験モジュールが打ち上げられて「天和」とドッキングし、宇宙ステーションが完成する計画。今後も多くの飛行士が宇宙へ「出張」していく。(c)東方新報/AFPBB News