【12月14日 AFP】米南部・中西部6州を10日夜から11日未明にかけて襲った竜巻で、13日までに少なくとも88人の死亡が確認された。

 南部ケンタッキー州のアンディ・ビシア(Andy Beshear)知事によると、同州では生後5か月から86歳まで計74人の死亡が確認された他、109人が行方不明となっている。

 ビシア氏は、死者数と被害規模が最終的に確定するまで数週間かかる可能性があると述べるとともに、死者数は確実に増えるとの見方を示した。

 竜巻で崩壊したメイフィールド(Mayfield)のろうそく工場では10日夜、従業員約110人がクリスマスシーズンに向け作業を行っていた。ビシア氏は被害状況について、94人の無事が確認されたものの、8人が死亡、8人が行方不明になっていると明らかにした。

 ビシア氏は州史上、最悪の竜巻被害だとしている。

 ケンタッキー州の他、テネシー、アーカンソー、ミズーリ、イリノイ4州でも14人の死亡が確認されている。ミシシッピ州では竜巻による被害は出たものの、死者は報告されていない。

 イリノイ州南部エドワーズビル(Edwardsville)にある小売り・IT大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の倉庫が被災し、クリスマスを控え夜勤で働いていた従業員6人が死亡した。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、15日にケンタッキー州を訪問することを明らかにした。バイデン氏は記者団に被害を受けた町の写真を示しながら「被害は極めて甚大だ」「町が消えてしまった。だが、この町だけではない」と述べた。

 同氏はケンタッキー州について、連邦政府による復興支援が可能になる「大規模災害」を宣言している。(c)AFP/Cyril JULIEN