中国の氷雪産業規模、2025年に17兆円を超える見込み
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【12月13日 People’s Daily】冬季五輪の開催準備をきっかけに、中国の氷雪関連産業が発展を続け、関連施設は日増しに完備され、かつてマイナーだったウインタースポーツは人々に喜ばれるフィットネス種目となった。同時に生み出した氷雪体験・氷雪研修・氷雪観光などの新業態が、ますます大きな市場を形成している。
ウインタースポーツには一定のハードルがあり、ウエア・用具のそろえから研修・練習に至るまで、一定の消費能力の支えが必要だ。スポーツのニーズが消費意欲を高めるのは、まさに社会経済の発展、生活レベルの向上に伴って、巨大なポテンシャルの余裕を示しているのだ。京東(JD.com)プラットフォームのデータによると、今年の「双11(11月11日の独身の日に行われる年に一度のショッピングフェスティバル)」で、スキー関連商品の自営受注量が前年同期比で23倍に増加し、氷上アイテムの売買成立額は同15倍に増加したという。
「最初はスキー場でスキー用品をレンタルしたが、数年たち、徐々にフルセットのアイテムまで買い足した。相次ぐモデルチェンジから、今年の『双11』で、スキー板を1枚買うのに約1万元(約17万9000円)もかかった」と、「90後(1990年代生まれ)」青年の楊赫(Yang He)さんは述べた。
氷雪関連消費のもう1つの「人気ポイント」は氷雪観光だ。親戚や友人を誘い周辺のスキー場で休暇を過ごすのが新たなトレンドになっている。「中国氷雪観光発展報告(2021)」によると、調査に参加した消費者の55%が長距離の氷雪観光、82%が短距離の氷雪レジャー旅行をしたいと答えた。雪と氷を軸に、飲食、宿泊などの付帯産業・サービスをけん引し、氷雪観光の付加価値がますます地元経済の発展に活力を与えている。
スキー歴6年の北京市民の姚佳美(Yao Jiamei)さんは、10か所以上のスキー場に行ったことがあり、「『氷雪ブーム』は結局のところ、人々の財布が膨らんでいて、そのための経済能力や意欲を持つようになったからだ」と述べた。
「中国氷雪観光消費ビッグデータ報告(2020)」によると、2018年から2019年のウインターシーズンに、中国の氷雪観光客数は延べ2億2400万人に達し、氷雪エリアを目的地とした1回の観光で1人当たりの消費金額は約5000元(約8万9000円)だった。氷雪関連消費がますます盛んになり、上昇するデータの背後に、中国氷雪産業発展の黄金チャンスが秘められている。
「氷雪ブーム」が無限のビジネスチャンスをもたらすことを、氷雪施設の経営者が最も深く感じている。北京市朝陽区(Chaoyang)の陳露国際氷上センターの楊一瑋(Yang Yiwei)マネジャーは、「2017年にオープンした時は、アイスホッケーチームが1チームしかなかったが、今では8チームまでに増えた」と述べた。
「冬季五輪開催準備の追い風に乗り、スキー場のインフラが改善を続け、われわれもスキー人口増加がもたらす恩恵を享受した。昨シーズンのスキー客は延べ40万人を超えた」と、北京南山スキー場の胡衛(Hu Wei)マネジャーは述べた。
国家体育総局のデータによると、2021年初めまでに、全国には654の標準型スケート場と803の屋内外の各種スキー場があり、15年と比べそれぞれ317%と41%増だった。
冬季五輪招致に成功してから6年、ウインタースポーツは徐々に全国をカバーし、オールシーズンで営業するようになり、氷雪産業の地位はますます重要になっている。「2021年中国氷雪産業発展研究報告」によると、2015年から2020年にかけて、中国氷雪産業の総規模は2700億元(約4兆8300億円)から6000億元(約10兆7400億円)までに拡大した。「ウインタースポーツ発展計画(2016〜2025年)」によると、2025年の中国氷雪関連産業の総規模は1兆元(約17兆9000万円)に達する見込みだという。(c)People’s Daily/AFPBB News