貧困地区で「スラムパーティー」 音楽と踊りで希望を ナイジェリア
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■政治意識を高める手段
オウォロンショキはアフリカで2番目に大きい橋、第3本土連絡橋(Third Mainland Bridge)のたもとに位置する。全長12キロの橋は、ラゴスラグーン(Lagos Lagoon)と呼ばれるラグーン(潟)をまたぐ。
ラゴスはサハラ以南アフリカ最大の都市で、住民の2人に1人は貧困層だ。一方、市内の人工島、バナナ島(Banana Island)は高級ブティックやレストランが集まる富裕地区で、オウォロンショキのような本土側の貧困地区とは懸け離れた世界だ。
スラムパーティーの主催者たちはこのイベントを、単なるパフォーマンス以上に政治意識を高める手段と考えている。
「地元で行動を起こせば、ささいなものでも変化は起こせると伝えたいのです」と言うバリューさん。昨年は地域のインフラ整備が放置されている状態に抗議するため、ぬかるみが広がる道路で警官を前に踊った。その様子を収めた動画がソーシャルメディアで話題になった。
昨年10月、ナイジェリア南部では警察の暴力に抗議する大規模なデモが繰り広げられた。何千人もの若者が路上に出て人権侵害や汚職を糾弾したが、治安部隊に鎮圧された。
「私たちは政府の奴隷のような気がします。私たちが欲しいのは安全と豊かさと平和です」とダンサーの一人、オラミデ・バリークイーン(Olamide Ballyqueen)さんは語る。
「私たちは自分たちの親のように苦労したくありません。そして、あの子たちに自分たちのような苦労は絶対させたくありません」と彼女は幼い子どもたちを指して語った。(c)AFP/Camille MALPLAT