【12月13日 AFP】エチオピアの反政府勢力が12日、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)がある北部ラリベラ(Lalibela)を奪還した。地元住民がAFPに語った。ラリベラをめぐっては、政府軍が1日、反政府勢力から奪還したと発表したばかりだった。

 地元住民は12日午後、AFPの電話取材に対し、反政府勢力の戦闘員が「街の中心部にいるが、戦闘は起きていない」と話した。

 別の住民も、反政府勢力が東方のウォルディア(Woldiya)方面から来たようだと話した。「大半の住民が恐れている。報復を恐れて逃げた人もいる。われわれとしては政府軍が去ってうれしい」と語った。

 反政府勢力「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」の幹部はTPLF系メディアを通じ、ラリベラとガシェナ(Gashena)を結ぶ道路沿いで「広範囲にわたる反撃」を開始したと発表。12日夜には、ガシェナとその周辺を奪還し、ラリベラの空港と町も掌握したと明らかにした。

 AFPはエチオピア政府に取材を試みたが、現時点で返答はない。

 ラリベラは首都アディスアベバの北方645キロに位置する。中世に造られた11の岩窟教会が世界遺産に登録されており、エチオピアのキリスト教徒の重要な巡礼地ともなっている。(c)AFP