【12月12日 AFP】水中に沈んだ車のナンバープレートを覆った藻をスキューバダイバーが手で払い、叫んだ。「彼らだ!」──米国で21年前に行方不明になった10代男女とみられる遺体を、動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」で探偵チャンネルを運営する男性が発見した。

 数十億回の再生回数を誇るユーチューブの大ヒット動画の中には、ソナー装置を使って全米の失踪事件に関係する車両を河川で捜索し、行方不明者の遺体を見つけようというものがある。捜索にかかる費用は、動画の再生回数から生じる収益で賄われている。

 この手法で今週、南部テネシー州で迷宮入りとなっていた21年前の失踪事件に解決の糸口が見つかった。

 2000年4月、当時10代だったエリン・フォスター(Erin Foster)さんとジェレミー・ベクテル(Jeremy Bechtel)さんは、テネシー州中部の小さな町スパータ(Sparta)から姿を消した。家族や友人は2人が家出し、新たな人生をスタートさせたのだろうと願っていた。

 しかし、今月4日、ユーチューバーでスキューバダイバーのジェレミー・サイズ(Jeremy Sides)さん(42)が自身のチャンネル「Exploring with Nug」に投稿した動画によって、事件は解決に向かいそうだ。この動画の再生回数はすでに約140万回に上っている。

 テネシー州のカーフキラー(Calfkiller)川で2人の車を見つけたサイズさんは、「タグ(ナンバープレート)を確認したら、あとはすぐだった。事件は終わりに向かっている。2人は家に帰れるし、家族も答えにたどり着いている」とAFPに語った。

 サイズさんが未解決事件の捜査進展に貢献したのは、この1か月間で2回目。見つかった遺体の身元確認作業は10日も続いているが、スパータ警察は行方不明の2人だとみている。(c)AFP/Joshua MELVIN