【12月12日 AFP】米南部・中西部の5州で10日夜から11日未明にかけて複数の竜巻が発生し、80人以上の死者が出た。

 南部ケンタッキー州では死者が70人を超えた。アンディ・ビシア(Andy Beshear)知事は、人口約1万人の西部メイフィールド(Mayfield)の被害状況を目の当たりにし、「言葉で言い表すことができない。これほどの惨状は今まで見たことがない」と記者会見で述べた。

 ビシア知事はまた、ケンタッキー州での死者はすでに「70人台後半に」なることは確実で、「100人を超える」可能性もあると語り、同州を襲った竜巻としては最悪の被害をもたらしたとの認識を示した。

 大きな被害が出ているろうそく工場については、屋根が崩壊して「多数の死傷者が出ている」とした。

 メイフィールドのキャシー・オナン(Kathy O'Nan)首長は11日午後、CNNに対し、同日午前3時以降にろうそく工場から救出された人はおらず、死者は増える恐れがあると語った。

 地元住民のアレックス・グッドマン(Alex Goodman)さん(31)は「爆弾が爆発したみたいだ」とAFPに話した。

 ビシア知事は、メイフィールドを襲った竜巻はケンタッキー州内を200マイル(約322キロ)以上移動、全体としては227マイル(約365キロ)にわたり被害を及ぼしたとした。

 これまでの報告によると、一帯で発生した竜巻の数は合計で30前後に上るとみられる。

 ケンタッキー州以外でも被害が出ており、これまでに13人の死亡が確認されている。イリノイ州南部エドワーズビル(Edwardsville)では小売り・IT大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の大型倉庫が被災し、6人が死亡。倉庫内に従業員約100人が閉じ込められた。

 その他、アーカンソー州で2人、テネシー州で4人、ミズーリ州で1人の死亡が確認されている。(c)AFP/John Amis