メキシコ、米に移民政策見直し要請 55人死亡事故受け
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【12月11日 AFP】メキシコ政府は10日、米国に向かう主要ルートで不法移民を乗せたトラックが横転し荷台に隠れていた55人が死亡した事故を受けて、米政府に移民政策の見直しを求めた。
事故は9日、南部チアパス(Chiapas)州トゥクストラグティエレス(Tuxtla Gutierrez)近くで発生。約160人を乗せたトラックが横転し、55人が死亡、100人以上が負傷した。
毎年数千人が、中南米諸国の暴力と貧困を逃れてメキシコ経由で米国を目指している。
メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は10日、こうした悲劇を受けて、世界は絶望という「根本的な問題」に対処していくべきだと訴えた。
「移民問題を解決するのは強制的な手段ではなく、仕事や幸福をつかむ機会だ。人々が村を離れるのは、楽しみを求めているのではなく必要に迫られているからだ」
ロペスオブラドール氏は、米国が移民の流入を防ぎたいのなら中米の社会プログラムに投資すべきだと同国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領に伝えたが、「(対策は)遅々として進まない」と述べた。
当局によると、今回の事故の死傷者はグアテマラ、ホンジュラス、エクアドル、ドミニカ共和国、メキシコの出身。ロペスオブラドール氏によると、死者のほとんどはグアテマラ出身とされる。(c)AFP/Gabriela Coutino with Jean Arce in Mexico City