【12月10日 AFP】エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は9日、欧米諸国が表明した北京冬季五輪の外交的ボイコットについて、「ささい」な措置だとし、フランスは同調しない意向を示した。

 マクロン氏は記者会見で、取るべき行動は「選手を派遣しない完全なボイコットか、有用な行動で変化を促すかのどちらかだ」とし、「有用な結果をもたらす行動には賛成だ」と説明。「最近の数週間で起こったことを考えると」フランスは選手の保護を保証する憲章の制定に向けて国際オリンピック委員会(IOC)と協力したいとも述べた。

 この発言は、中国の前副首相から性的関係を強要されたとSNSで告発した後、3週間消息を絶った女子テニス選手の彭帥(Peng Shuai)さんの問題に言及したものとみられる。マクロン氏は「こうした話題は政治化するべきではない。ささいで象徴的な措置を取るためであればなおさらだ」と述べた。

 中国の人権問題についての懸念から、8日にはオーストラリア、英国、カナダが米国に続いて五輪の外交的ボイコットを表明している。一方、国連(UN)報道官は9日、アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は出席する予定だと明らかにした。(c)AFP