【12月12日 Xinhua News】中国湖南省(Hunan)文物考古研究所はこのほど、同省衡陽市(Hengyang)衡山県(Hengshan)の長江鎮陽田村で清代の古墓57基が見つかったと明らかにした。現在は出土品の修復と保護を進めているという。

 墓が見つかったのは陽田沖黄氏一族の墓地で、同研究所などが8月から11月にかけ緊急発掘調査を実施した。

 古墓からは、釉罐92点や青花皿の墓誌1点、瑠璃の耳飾り2点、れんがの墓誌2点、銅製ボタン7点、銅製キセル1点などを含む陶磁器や銅器、琉璃器などの遺物105点が出土した。

 発掘現場の責任者、楊寧波(Yang Ningbo)氏によると、発見された古墓群はほとんどが同じ方向に整然と並んでいた。一部は墓碑も残されており、最も古いのは康熙41(1702)年のものだった。いずれも竪穴式土坑墓で、れんがの墓誌と青花皿の墓誌銘は清代の古墓では珍しいという。

 ほとんどの墓の両壁には壁龕(へきがん、物を置くための凹状部分)があり、それぞれ黒釉の陶罐(とうかん、みずがめ)が置かれていた。中には稲もみが入っており、地元では「糧檀」と呼ばれている。専門家によると、五穀などを副葬する習慣は漢代から一般的で、南北朝時代には穀物を副葬するための専用の罐も出現している。

 楊氏は今回の発見について、江南地区の清代埋葬習慣と地域文化を理解する上での実物資料となり、重要な参考価値があると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News