【12月9日 AFP】オランダ美術の巨匠レンブラント(Rembrandt)の大作「夜警(The Night Watch)」(1642年)の何層にも重ねられた絵の具の下から下絵が発見された。修復を行っているアムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)が8日、発表した。

 同美術館のタコ・ディビッツ(Taco Dibbits)館長は、制作過程を知ることができる「大発見」だと語った。これまでも、極めて複雑な構図の夜警を描き始める前に下絵を描いたと考えられてきたが、証拠はなかったという。

 下絵には、背景の人物のヘルメットに羽根飾りが、主役2人の間に剣が描かれていた。

 同美術館の絵画部門責任者ピーター・ルロフス(Pieter Roelofs)氏は「下絵では羽根がはっきりと見えるが、画面にはない」と話した。羽根飾りが描かれなかった理由は、この人物が中央にいるため「目を引きすぎる」と考えた可能性があるという。

 同美術館では、約30人の専門家が2年半にわたり、最先端のイメージング技術とコンピューター技術を使ってレンブラントの用いた技術の調査やオリジナルの状態に復元する作業を行っている。8日の記者会見では、作業の第1段階の報告が行われた。

 現在の「夜警」は縦3.6メートル、横4.5メートルだが、1715年に新しい展示場所に収まるよう絵の端が大幅に切り取られたことが分かっている。(c)AFP/Charlotte VAN OUWERKERK