【12月9日 AFP】世界保健機関(WHO)は8日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」について、感染歴のある人が再感染するリスクが従来株に比べ高いことが初期データから示されているが、従来株より症状は軽い可能性があるとの見解を示した。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は記者会見で、「南アフリカからの新たなデータは、オミクロンでは再感染リスクが増加していることを示唆している」と説明。一方で、「オミクロンはデルタより症状が軽いという証拠もある」とした。

 だが、結論を出すにはさらなるデータが必要であることを強調し、オミクロン株の特性を解明するため監視体制を強化するよう各国に要請。「現段階での油断は命取りになる」とし、オミクロン株の症状が軽度であることが判明したとしても、警戒を怠らないよう警告した。

 WHOで緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏も、現在のデータからは、オミクロン株が「おそらくデルタ株よりも効率的に伝染している」ことが示されていると指摘。たとえオミクロン株が従来株に比べ危険性が低いことが判明しても、感染拡大ペースが速ければ、発症者が増えて医療機関に負担がかかり、「より多くの人が死ぬ」恐れがあると述べた。

 WHOは、一部データで示されているようにワクチンの対オミクロン株効果が低かったとしても、重症化予防の効果は高いことが期待できると指摘。ワクチン接種の重要性を強調した。(c)AFP