【12月8日 AFP】(更新)米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャー、ビオンテック(BioNTech)は8日、両社が共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、2回接種では変異株「オミクロン株」に対する免疫が十分得られない可能性があるとした一方で、3回接種は「有効」だと強調した。

 オミクロン株は従来株と比べ感染力が強いとみられているほか、変異が進んでいるためワクチンによる免疫を回避する恐れがあり、世界的な懸念を引き起こしている。オミクロン株に関連した死者は今のところ確認されていない。

 ファイザーとビオンテックは8日、査読前の暫定的な実験室試験結果として、両社製ワクチンは「3回投与されれば、新型コロナウイルス感染症予防やオミクロン株に対し引き続き有効」と説明。一方で、「オミクロン株はおそらく、2回接種後には十分に中和されない」とした。

 ワクチン接種済みの人から採取した血清を用いた初期試験では、3回接種で得られるオミクロン株に対する抗体の量が、2回接種で従来株に対して得られる抗体の量と同程度だった。

 接種を2回受けた人の血液中の中和抗体の量は、オミクロン株では平均して従来株の25分の1だった。だがT細胞による免疫反応はオミクロン株の影響を受けないとみられることから、ワクチンは引き続き重症化予防に有効である可能性があるという。

 ビオンテックは現在、オミクロン株に特化したワクチンを開発しており、来年3月までには供給可能になるとしている。(c)AFP