【12月8日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のバーニー・エクレストン(Bernie Ecclestone)元最高経営責任者(CEO)が7日、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)とレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)のタイトル争いについて、優勝7回のハミルトンとメルセデスは挑戦者のフェルスタッペンとフェアに争っておらず、相手をいじめていると話した。

 フェルスタッペンとハミルトンは同ポイントで今週末の最終戦アブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2021)に向かうが、エクレストン氏は、メルセデスの仕掛ける「心理戦」の圧力が、タイトル争いに大きな影響を及ぼしていると信じている。

 数十年をかけ、F1を数十億ドルを稼ぎ出すグローバルな巨大ビジネスに成長させたエクレストン氏は、メルセデスのトト・ヴォルフ(Toto Wolff)チーム代表とハミルトンが「フェアにプレーしていない」と話している。

 実際、24歳のフェルスタッペンは影響を受けているように見える。7月には32ポイント差をつけてフェルスタッペンが年間トップに立っていたが、今はメルセデスが勢いを取り戻し、ハミルトンも前人未到の8度目の総合優勝を視界に捉えている。

 スペイン・イビサ(Ibiza)島にある自宅から、AFPの電話インタビューに応じたエクレストン氏は、「マックスはルイスと比べると子どもで、最悪なのは、ルイスが自分に有利になるような宣伝活動を大規模に展開していることだ」と話した。

「彼らはいつもマックスを追い込み、そしてレースディレクターは、トトがやって来るからとマックスを調査する」

「彼らに背中を狙われて、マックスはレース以外のところでも戦わなくてはならない。彼らはマックスをいじめ、フェアにプレーしていない」

「心理戦を仕掛けている」

 91歳になるエクレストン氏は、心理戦になれば強いのはハミルトンの方だと話している。最終戦については、前週末のサウジアラビアGP(Saudi Arabian Grand Prix 2021)より良い内容のレースを期待しているとし、「一番幸運な」選手が勝つだろうと予想した。

「F1にとってはいいことだ。この数年は誰の目にも誰が勝つかは明らかだった」

「しかし今季は信じられない一年になっている。今年がいつもと少し違うシーズンなのはいいことだ」

「ルイスに非はまったくない。彼は最善を尽くしている。ただ、ルイスにはたくさん味方がいる」 (c)AFP/Pirate IRWIN