【12月8日 AFP】英NGO「グローバル・ウィットネス(Global Witness)」は8日、コンゴ民主共和国のダム建設計画をめぐり、同国政府と中国の国営建設会社、中国電力建設集団(PowerChina)に中止を訴えた。計画はウペンバ国立公園(Upemba National Park)の一部が水没するもので、「生態学的大惨事」だとしている。

 5億ドル(約570億円)規模のソンベダム(Sombwe Dam)計画では、コンゴの銅・コバルト鉱山地帯にある採掘会社に電力を供給するための水力発電所を建設する。同NGOは、コンゴの環境保護関連法に違反しており、保護の対象となっている野生動物の生息地をおびやかす恐れがあると指摘している。

 また、森林区域を水没させるため、計画による今世紀末までの二酸化炭素(CO2)排出量は130万トンに相当するという。

 グローバル・ウィットネスのコリン・ロバートソン(Colin Robertson)上級森林調査官は、流出した報告書や外交文書を分析した結果、ソンベダム計画は「重大な危険信号ばかりである」ことが分かったと語った。

「ダム建設のためにウペンバ国立公園の一部を水没させることは生態学的大惨事であり、コンゴ民主共和国の国立公園が今や投資家のものとなっていることを表している」

 南東部に位置するウペンバ国立公園は1939年に設立され、クロサイやゾウ、バファローなどが生息している。(c)AFP