【12月8日 AFP】米政府のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)首席医療顧問は7日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の重症度について、判断には数週間かかるが、初期データからはデルタ株よりも高くないことが示されており、デルタ株より低い可能性もあると述べた。

 AFPのインタビューに応じたファウチ氏は、オミクロン株に関してこれまでに分かっている情報を、感染力の強さ、ワクチン接種や感染で獲得した免疫を回避する能力、重症化しやすさの3分野に分けて説明。感染力については「明らかに強い」とし、現在主流となっているデルタ株を上回る可能性が高いと指摘した。

 各国から集まったデータによると、オミクロン株は再感染率が高いことも分かっている。ファウチ氏は、現行のワクチンで得られる抗体のオミクロン株に対する効力を検証する実験が「数日から1週間以内」に行われるとの見解を示した。

 重症度については「デルタ株よりも重篤でないことはほぼ確実」と述べ、南アフリカの一部人口を対象とした調査では感染者数に対する入院者数の比率がデルタ株に比べて少ないとみられることを根拠に挙げた。

 ただ、調査の対象は入院する可能性の低い若年層が多いため、このデータを拡大解釈しないよう注意を喚起。重症度を見極めるのにかかる期間は、11月に最初のオミクロン株感染が報告された南アフリカでは少なくとも数週間、世界中で感染者が増えればさらに長期化する可能性があるとも述べた。(c)AFP