【12月14日 AFP】東京五輪のスケートボードに出場してからわずか4か月、平野歩夢(Ayumu Hirano)が今度は来年2月の北京冬季五輪で金メダルを獲得することを目指し、準備のペースを上げている。

 ドレッドヘアがトレードマークの平野は、東京五輪ではスケートボード男子パークに出場して20人中14位と、8人で争う決勝に残れなかった。一方、スノーボード・ハーフパイプでは過去2回五輪に出場してどちらも銀メダルを獲得しており、出場できれば冬季五輪の方がなじみは深い。

 しかし今回は、2月4日の開幕までわずか2か月しかなく、スケートボードからスノーボードへの切り替えについては、本人も「時間との闘い」だと言う。

 2014年のソチ冬季五輪に出場し、15歳で五輪デビューを果たした平野は、ユーリ・ポドラドチコフ(Iouri Podladtchikov、スイス)に次ぐ2位に入ると、4年後の平昌冬季五輪でも、レジェンドのショーン・ホワイト(Shaun White、米国)には及ばなかったものの銀メダルを獲得した。

 この夏の東京で夏冬両方の五輪出場を果たし、器用さを証明した平野は、その経験が金メダルを目指す北京での戦いに生きてくればと考えている。

 23歳になった平野は、「(東京五輪は)スノーボードをやったときと違う違和感でやってきていたので、そういう部分を生かせていければ、プラスでいいのかなと思う」と話した。

 母国開催の東京五輪では不安もあり、雪の上を滑るときのような平常心ではなかったというが、その経験を通じて精神的に強くなれたと考えている。とはいえ北京での金メダル争いが期待される中で、ライバルよりもスノーボードにかけてきた時間は短く、早く感覚を取り戻さなければ戦えないのは本人も分かっている。

「(周囲は)最近まで、自分が思っている以上に技術的な部分はレベルアップしていないイメージがあった。ここ半年ぐらいで急にみんな気合が入ったというか、スイッチが入ってきて、レベルも急に上がったというような印象」

「勝負の世界だから、一人が新たなことにトライすれば、次にみんながトライして…という感じ」

 北京五輪に出場すれば、35歳になった優勝3回のホワイトと再び激突する可能性が高く、また同胞の戸塚優斗(Yuto Totsuka)やオーストラリアのスコッティ・ジェームス(Scotty James)も強力なライバルになる。

 北京への本格的なカウントダウンが始まる中、前週末には米コロラド州で行われたW杯開幕戦に出場した。「スノーボードから離れていた時期が長かったので、大会自体も久しぶり。今の段階での自分のレベルを大会で見せられることがすごく楽しみ」と話していた中で、平野は4位に入った。(c)AFP/Andrew MCKIRDY